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電脳戦機バーチャロン書籍紹介 CHAPTER02~1997年

唐突に始めたバーチャロン全書籍紹介、今回は1997年発売のものを紹介します。

1996年末にセガサターン版が発売され、サターン版に対応した攻略本や、グラフィック集に設定資料集もリリースされ、ゲーム誌では続編であるオラトリオ・タングラムが発表されたりと、恐らくこの頃が最も、バーチャロンシリーズの知名度が高かった頃かもしれません。

 

前回の記事、1996年編はこちら。

halnem.hatenablog.jp

 

1997年に発売された本は五冊。では順番に紹介していきます。

 


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Vジャンプブックスゲームシリーズ 電脳戦機バーチャロン

発売日:1997/01/07

出版社:集英社

定価:1000円

・ゲーム攻略度:★★

CPU戦をメインに、初心者向けに纏められています。CHAPTER01で紹介したエースパイロット養成テキストと同じく、SS版から入った若年層を意識してか、できる限りシンプルに説明されている印象を受けます。

・設定資料度:★

特に新しい情報は無し。

・入手難易度:★

古通販サイトやネットオークション等で安価に入手可能。

・独自性:★★★★

バーチャロンワークスによるハイエンドCGも勿論載っているのですが、本書独自の要素として、外部イラストレーターによるリアリティのあるイラストや、ゲーム攻略を説明するためのコミカルなイラストが多数載っています。

・解説

2023年現在、この本の最も価値のあるポイントは、本書のために描き下ろされた(と思う)美麗なイラスト群!後にTCGガンダムウォーやHGガンプラのボックスアート等を手掛けている森下直親先生によるド迫力なイラストが13点、デジモンイナイレのコミカライズを手掛けた漫画家、やぶのてんや先生のコミカルな攻略イラストが8点も収録されています。

今からサターン版をプレイするという人はあまりいないと思うので、攻略はおまけで、イラスト目当てに手に入れてみるのをお勧めします。セガ公式以外のイラストやCGが載ること自体も結構めずらしいですしね。


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プレイアブル機8キャラのイラストは迫力の見開きページでの掲載。ただ、ガッツリ文字がかぶってますし、若年層向けなのもあり中二っぽいポエムも載ってたりしますが(笑)。


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攻略ページの方には、8キャラそれぞれにコミカルな説明イラストが載っています。何故かアファームドがギャグ調で描かれているイラストが多いですw

 

 

 


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電脳戦機バーチャロン パイロットマニュアル フォー サターン

発売日:1997/02/19

出版社:アスペクト

定価:1500円

・ゲーム攻略度:★★★

SS版の攻略本としては、後述のパーフェクトガイドと並び頼りになる内容となっています。漕ぎについてもしっかり載っていますし、簡易的なCGを使った動きや射線の説明もわかりやすいです。前二冊でスルーされていた(時期的に解禁前だったのかも?)テムジンE6型とライデンD型も少しですが載っています。

・設定資料度:★

設定については特に着目すべし点は無し。後述の漫画は公式設定と色々違いますし(笑)。

・入手難易度:★

古通販サイトやネットオークション等で安価に入手可能。

・独自性:★★★

ミリタリー色溢れるガンダムのコミカライズ等を手掛けている、近藤和久先生によるショート漫画が載っています。しっかり非公式という記述がありますが、貴重な漫画化ですね。SS版リリース当初は漫画雑誌等で何度か単発連載はあったようですが、ほとんどが単行本になっていませんし。

・解説

SS版の攻略本はこれか、後述のパーフェクトガイドのどちらかが役に立つと思いますが、こちらは本全体のレイアウトがお洒落かつ読みやすいテキスト量かな、と思います。当時発売していたガレージキットを使ったデジラマなんかも載っています。


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近藤和久先生によるショート漫画は8P。

パイロットのヘッドアップディスプレイのデザインが公式と全然違ったり、ムーンゲートでバルバスバウが量産されていたりと、色々公式設定と違います(笑)。

 



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電脳戦機バーチャロン パーフェクトガイド

発売日:1997/02/24

出版社:ソフトバンク

定価:1300円

・ゲーム攻略度:★★★★

攻略記事はしっかりしていますし、前述のアスペクト出版のものと同じようにCGモデルを使った図で解説されているため、わかりやすいです。そしてヤガランデ、テムジンE6型、ライデンD型の解説記事に関してはこちらの方が詳しく書かれていますし、アーケード版とSS版の違いについても各VR別に解説がされているので、個人的にはこちらに軍配が上がるかな、と思っています。ただ、漕ぎができるのはベルグドルのみ、なんて書いてあったりもするのですが。(;´▽`)

・設定資料度:★

初代バーチャロンの攻略本全般に言えますが、世界観や各VRの解説については最小限です。

・入手難易度:★

古通販サイトやネットオークション等で安価に入手可能。

・独自性:★★

前述しましたが、アーケード版とSS版の違いにキチンと触れているのは意外にもこの本だけだったりします。更に、隠しキャラや別売りのセガネット版に関しても、本書が最も詳しく書かれているので、当時の空気感なんかも楽しめるのではないかと。

・解説

個人的にはSS版攻略本の決定版はこれかな、と思っています。隠し要素やセガネット版も網羅していますし。まああくまで攻略本としてなので、美麗なイラストが目当てならVジャンプブックスの方もお勧めします(笑)。

 

 


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当時はとても革新的だったセガネット版。インターネットでさえまだほとんどの家庭に無かった頃に、電話回線を使って全国のプレイヤーと通信対戦が出来たのですから驚きですよね(電話代から目を逸らしつつ)。

そんな当時の空気感を少しですが感じることが出来るのではないかと思います。

 


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このヤガランデは色々な書籍に載っているCGなのですが、アースクリスタル内部に少女のような影があって、多分ですが本書はそれについて触れた唯一の書籍だったのではと思います。

この少女のようなものについては長年謎のままだったのですが、20年近い時を経て、ハセガワから発売されたガラヤカのプラキット付属の解説文にて「女性型VRは初代の頃から三姉妹の予定で、その一体はヤガランデと深い繋がりのある設定も決まっていた」と語られ、クリスタル内の少女はその構想の名残だったということが判明しました。

その証拠に、後述する設定資料集「スキマティック」では、ヤガランデの事を011と呼ぶ台詞があります。

…書籍紹介なのに、だいぶ話がズレちゃいましたね。(;´▽`)

 

 


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サイバートルーパーズ バーチャロン グラフィックス「パースペクティブ

発売日:1997/09/01

出版社:ソフトバンク

定価:2200円

・ゲーム攻略度:★

CG集なので、ゲームに関する記述は一切無しという潔さ。

・設定資料度:★★★★

収録されているCGはパブリシティ用のものではなく、三面図や武器の造形がほとんどで、美麗なCGが見たいという層よりも、3DCGや立体物の製作をしている人向けの内用となっています。

・入手難易度:★★

数自体は出回っているのでレアという訳ではありませんが、攻略本より少し高めな値段設定となっていることが多いです(1500~2000円くらいが相場)。

・独自性:★★★★

CGのほとんど全てが本書初出のものばかりですし、ドラマCDでフェイイェン役を務めた樋口智恵子さんの謎コスプレも載っています(笑)。

・解説

バーチャロン初のCG集ですが、その内容は同業者向けというか、CGクリエイターやモデラー向けの内容となっています。プレイアブル機8キャラの1Pカラーの他に、ラストにはMBV-707-C2としてオラタン版テムジンが先行収録(?)されていたりします。

 

ちなみに、目次にはヤガランデジグラットも載っており、初のハイエンドCGモデルが見られるのでは!?と期待すると…


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こんなオチが待っています…U´^q^`U

 

 

 


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サイバートルーパーズ バーチャロン リファレンス「スキマティック」

発売日:1997/10/31

出版社:ソフトバンク

定価:2400円

・ゲーム攻略度:★

パースペクティブもそうでしたが、こちらも攻略どころか、ゲームの内容には一切触れていません。後半の開発チームインタビューの中に、ゲーム開発に関するエピソードが語られているくらいでしょうか。

・設定資料度:★★★★★

初の設定資料集として、月面遺跡発見からオペレーションムーンゲート発動までのストーリーを、プレイアブル8VRの解説も踏まえて掲載されています。つい最近になって知ったのですが、本書のテキストはRPGマガジンという雑誌に載っていた「バーチャロンタクティクス」なる連載の再録だったのかもしれない、という事が確認されました。RPGマガジンは読んでいなかったので詳しいことはわかりませんが。(;´▽`)

・入手難易度:★★★★

古本で発見する事自体は簡単なのですが、定価2400円なのに対して、3000~5000円近い値段を付けられている事が多いので、お財布と相談し、安く出品されるのを気長に待つのも良いかもしれません。

・独自性:★★★★

VRのCGは最低限なので、グラフィック面での資料用としてはちょっと心許ないですが、バーチャロンシリーズではめずらしく、人物のイラストが載っていたりします。更に、OMG作戦の裏で活躍した特殊重戦闘VR大隊の戦闘を描いた小説や、バーチャロンに関わった様々な人のインタビューや対談、そしてなんと亙プロデューサーとガンダムの富野監督との対談なんてのも収録されています。

・解説

オラトリオタングラムの開発真っ只中に、初代バーチャロン書籍の〆としてリリースされた設定資料集で、ゲーム内や攻略本ではほぼ語られていなかった、VR開発までの苦難の道や、各VRが誕生した経緯、そしてOMG作戦の顛末等が、読み応えたっぷりに収録されています。ドラマCDにも登場したアンベルⅣやサルペン軍曹、ワンマンレスキューで活躍するバイモルフ軍曹等は人物画も載っていますし、オラタンライデンのアーマーブレイクやワイドレーザー(一般設定レーザー)の元ネタなんてのも登場します。

2023年現在では世界観の設定や特殊重戦闘VR大隊の小説はCHRONICLE20に、富野監督との対談はCHRONICLE15にそれぞれ再録されていますが、世界観設定に関しては後のシリーズと辻褄を合わせるために大きく加筆修正がされると同時にやや簡略化されているので、電脳歴のVR開発におけるエピソードもしゃぶり尽くしたいなら、やはり本書籍を読むことをお勧めしたいですね。

※余談ですが、バーチャロンの設定は開発現場やその周辺で実際に起きた出来事が設定に組み込まれている事が多いので、それを踏まえて読んでみると、また違った楽しみ方が出来るかもしれません(笑)。

例として、テムジンはG型になるまでライフルのジャミング現象が解消されなかった→製品版リリース直前まで、RWの弾が出なくなるバグが解消されなかった…等々

 


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亙さんも富野監督も若ーい!!(笑)

 

 

 

以上、1997年発売のバーチャロン書籍紹介でした。

自分は設定厨なのでスキマティックの解説はちょっと文章しつこいかもしれません。(;´▽`)

当時はもう穴の開くほど読んだので、表紙のビニールコーティングが剥がれてきてますし、取れそうなページもあったので、これ以上読むとバラバラになってしまうかも(笑)。

 

初代バーチャロンに関する書籍は今回までの記事で全て紹介出来たと思うので、次回は1998年、オラトリオタングラム稼働時に発売された書籍達を紹介していこうと思います。

これがまた曲者揃いなので、またテキスト量が多くなってしまうかもしれません。(;´▽`)